CASE STUDY

導入事例

CASE 03

日本料理店 志木葉 様

客単価約1.5倍。感情や勘で動いていたのが、数字で見えるように

CASE 03

日本料理店

日本料理店 志木葉 様

石川県金沢市、長町武家屋敷跡にある「日本料理 志木葉(しきは)」は、2023年12月に開業したカウンター割烹だ。
夫婦2人で営む、カウンター7席と個室ひとつの小さな店。
目の前で仕上げる鉄板焼きと、北陸の旬を映す割烹料理を提供している。
開業直後の苦境から、経営改善コンサルティングを受けるに至った経緯と、その変化についてオーナーの富健二氏に伺った。

客単価約1.5倍。感情や勘で動いていたのが、数字で見えるように

課題

能登半島地震による集客の落ち込み。夫婦経営で数字を管理する習慣がなかった

解決策

経営を数字で可視化。原価率・仕入れ・固定費などを明確化し、収益バランス見直し
メニュー内容と価格を見直し

成果

客単価が昼夜ともに向上、体感で約1.5倍に。口コミが広がり、新規顧客が増加

石川県金沢市、長町武家屋敷跡にある「日本料理 志木葉(しきは)」は、2023年12月に開業したカウンター割烹だ。
夫婦2人で営む、カウンター7席と個室ひとつの小さな店。
目の前で仕上げる鉄板焼きと、北陸の旬を映す割烹料理を提供している。
開業直後の苦境から、経営改善コンサルティングを受けるに至った経緯と、その変化についてオーナーの富健二氏に伺った。

開業1ヶ月後、震災で客足が止まった

「志木葉(しきは)」がオープンしたのは2023年12月。しかしその1ヶ月後、能登半島地震が発生する。
「オープンしてすぐ震災が来て、観光も止まった時期でした。外に出て食事する状況じゃないよね、
という完全な自粛状態で。客足も売り上げもない。でも生活はしていかなきゃいけない」(富氏)
そんな中、ISICO(公益財団法人 石川県産業創出支援機構)の友人から紹介され、
マイミッションコンサルティングの中島氏と知り合う。
「オープンして丸1年目くらいでご相談させていただきました。
思い描いていた開店の様子とちょっと違うなという感じがあって、専門家に相談しようと思ったんです」(富氏)

完全予約制で営業することの難しさ

具体的な悩みは、集客のムラと価格設定だった。
「忙しい日は忙しいんですけど、波があって。もう100%、0%、100%というような入り方なんですよ。
それを70、80にしたいなと思っていました」(富氏)
観光地ではあるが、飛び込み客は受け入れない。
完全予約制にして予約の人数分しか食材を仕入れないということを貫いているためのジレンマだ。

原価が高すぎることに、自分では気づけなかった

日ごろから食材ロスがないようには気を付けていたが、それだけでは足りなかった。
富氏は自分たちだけでは解決できなかった課題として、原価率の甘さを挙げる。
「料理は、正直、原価をかけていた方だと思います。原価を下げるという意識があまりありませんでした。
あるべき原価率をもっと明確にしないと、収益のバランスが取れないということを学びました」(富氏)
富健二氏は高校卒業後すぐに割烹料理の店で修業し、30年以上の経歴を持つが、
それでも経営に関しては知識が少ないということが、開業してから露見した。
おいしい料理を提供することに関してはプロフェッショナルでも、収益が取れる原価率までは考え及ばなかったのだ。

野生の勘だった経営が、数字で明確になった

マイミッションコンサルティングの支援を受けて良かった点として、まず挙げたのは「人とのつながり」だった。
「中島さんとお会いして、いろんな人に会えたのが良かったです。例えば日本酒の会とか」(富氏)
そしてもう一つが、経営の数値化だ。
「今まで夫婦2人の間には、数字というものがあまりありませんでした。基準がなかったんです。
漠然と、感情や、野生の勘でやっていた部分が、ちゃんと数字化されて明確になりました。
原価率、仕入れ、固定費が、どれだけかかっているのか、などです」(富氏)
毎月とまではいかないが黒字になった。収益がきっちり出ていることが数値で分かると、安心できるという。

「やりたいな」を、現実にする後押し

コンサルティングを経て、挑戦する姿勢にも変化があった。
「前々から、できたらいいなと思っていたことを、1回やってみようという姿勢になれました。
中島さんがいると、挑戦する気持ちになれます。
試しに1回やってみると方法が分かるので、次もやれるという自信がつきました」(富氏)
その象徴的な例が、すっぽん料理への挑戦だ。
「石川県はカニの名産地で、周囲はカニばかりです。
もちろんうちもカニは冬の目玉として出すんですが、あえて秋はすっぽんを売りにしました。
中島さんに背中を押していただいた形です」(富氏)
日本料理の中でも、すっぽんは料理できる人が多くない。
石川県はすっぽんの名だたる名産地というわけではないので、かえって料理できる人が重宝されることだろう。
開店前に30年以上の修業を経ているからこその技だ。

客単価が上昇、口コミが広がり「選ばれるお店」に

数字面での成果も表れている。コースの価格を見直すことで、客単価は確実に上昇した。
「夜のコースは元々2本だったんですけど、12,000円、15,000円だったところに18,000円のコースを足すことで、
15,000円が出やすくなりました」(富氏)
同様に、昼のメニュー単価も見直した。
最低価格の5,000円コースを廃止して、7,000円と12,000円の2本立てにしたところ、12,000円がよく出るようになったという。結果的に、昼夜ともに客単価が上がった。
「数字で言うとはっきり分からないですけど、体感で客単価1.5倍くらいですね」(富氏)
集客の面でも、良い波が訪れている。
「口コミが広がって、周知されているのを感じます。
『この店が良いよと言われて来ました』という人が増えました」(富氏)
もちろん集客はまだまだ波が多い。「6月はちょっと苦戦しました」(富氏)
ゴールデンウィーク以降、財布の紐がぎゅっと固くなる感じがあったという。
次のボーナスシーズンまで、辛抱する時だ。観光地という土地柄をまだ掴み切れていない。

今後の目標は「家族との時間を確保する」こと

今後の目標については、店の効率化と家族の時間の両立を挙げる。
「今までは朝から晩まで長時間店に立っていることが普通でした。
今後は、時間を短縮して効率よく稼げるようにしていきたいと思います」(富氏)
折しも取材時、妻の明日実さんが出産間近というタイミングだった。富氏は間もなく五十路、待望の第一子だ。
「子どももできるので、妻と協力して子育てしたいです。妻が産休に入る間は、店を守らないといけないので。
何とか効率化して、子どものための時間を作りたいです」(富氏)
取材後、2026年7月に無事に元気な男の子が誕生した。
7月は休業とし、夫婦揃って産休を取った仲の良さだ。8月以降しばらくの間は夜のみの営業になるという。
屋号「志木葉」の由来は、「志は木の葉に包む」ということわざから。
木の葉に包むほどのささやかな物であっても、心がこもっていれば立派な贈り物になる、という思いが込められている。
ささやかな店とささやかな家族を、思いを込めて、今後も守り続ける。

店名 日本料理店 志木葉
住所 石川県金沢市長町2-4-34

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